6月・水無月の酒

桜桃(おうとう)酒

桜桃−、サクランボ(桜ん坊)です。6月19日は作家太宰治の「桜桃忌」、 死の年の作品に「桜桃」があります。
可憐なサクランボは子供が喜ぶが、高価なのが玉に傷で、滅多に買ってやれない。 桜桃忌には酒場で赤く艶やかなサクランボをコップの酒に沈め、「桜桃」の主人公のように 「子供より親が大事」と呟く。
酒代を子の養育費で削られ、慨嘆している亭主族に勧めたいです。家を忘れる玉箒(酒)に・・・
産地山形県では、可愛らしい桜桃入りのリキュール「さくらんぼのお酒」を 発売しいいるところもあります。

鮴(ごり)骨酒

その姿に可憐さは問いません。醜さの裏には、美味が潜んでいます。 金沢名物の鮴、市内を流れる浅野川と犀川でとれます。 丸ごと焼いた体長6〜7センチの鮴を小鉢に並べて、熱燗を注いで飲みます。 「煮て良し、焼いて良し、揚げて良し。酒にしてもまた良し。」

鰻(うなぎ)酒

鰻のかば焼きを関西では「まむし」と呼ぶそうですが、このまむしなら、 蛇嫌いの私でも安心して酒に使えます。深い海で孵化した鰻の幼魚は春に川を逆上り、 川や湖沼で成長すると秋にまた海に下って産卵する。夏多くとれ、 俳句歳時記では夏の季語になっていますが、ほとんどが養殖物になった昨今は、 季節感が失せてしまいました。
白焼きの鰻を湯飲みに入るくらいの大きさに切り、熱燗を満たして蓋をして 5、6分置く。ねっとりした鰻の脂と旨みが移り、濃厚な酒になります。 夏痩せ防止に効果抜群です。
天然物や専門店の鰻でなくても、スーパーで買った「お徳用品」で十分です。 豪快にやろうと思えば、かば焼きの大串を丼に入れて、熱燗をたっぷり注ぎます。

燗(かん)ロック

杜氏の里・岩手県石鳥谷町の知人に教わりました。いったん燗をつけた酒を 氷塊を入れたグラスに注ぐ、いわば燗酒のオン・ザ・ロックです。
何でも南部杜氏が広めた飲み方だそうですが、熱い酒を急に冷やすせいなのか、 「おやっ」と思うほど軽い味の酒になります。

日本醸造協会誌1999.6

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